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EPA活用相談: 外国の方のEPA活用

外国の方が、日本で起業して、日本の商品(アパレル)をマレーシアに輸出するために相談にこられた。

ご本人から国籍をおっしゃられないと、日本人と思われる振る舞い、しゃべり方。

しかし、EPAの活用に関しては、日本人ではなく、肉食そのもの(失礼だとは思いますが、まさしくそういう雰囲気でした)。

20%の関税が無くなると聞くと、「やらない理由はありません。」

あなたではなくて、輸入者が得をしますよ、というと、「恩を売るから、後に益があるのです。」

少人数で切り盛りされている会社のようですが、商品の仕入れはメーカー直接でそれもしっかりしたところのよう。人間関係作りもうまいようだ(見習わねばならない)。

正直言えば、EPA初めての人に、活用のプロセスを説明するとげんなりするものなのだが、真剣に聞き、そしてメモをとる(最近の日本人はメモをとるのを忘れている)。

早急に対応したいらしいのだが、忙しいからかどうやって対応するかの時間の算段をされ始めた。

「どこかにアウトソーシングはできないのですか?」

「できますよ。うちも受けています。」

「いくらです?いつまでにできます?」

「(これこれこういうくらい)ですかね。」

「算段をして、頼むかもしれません。ただ、自分がやれば早いのもわかっている

EPA活用基礎講座: 原産地証明を申請できるのは生産者もしくは輸出者ですが・・・

EPAの原産地証明を行うアドバイスの際に、よく相談があるのが「うちは商品の輸出者なのだが、商工会議所に申請はできるか」という質問です。

答えは”Yes”です。

生産者もしくは輸出者のどちらかが申請できます。

ただ、原産地証明に必要な情報は生産者のほうに存在します。輸出者は生産者から情報をもらわなければ証明ができません。メーカーが設立した商社やグループ企業内で情報のやり取りに垣根がない場合は、輸出者が生産者と同等の情報で申請ができるでしょうが、そうでない場合、いくら売ってくれる輸出者であっても、生産者は出す情報を渋るのは明らかです。

(証明方法:関税番号変更基準の場合)

EPAの原産地証明でよく設定される証明ルールに、関税番号変更基準(CTC)があります。完成商品のHSコードとそれを作るために使った非原産部材のHSコードが違っていれば、「原産」としていいルールです。この場合だったら、生産者も情報を提供しやすいでしょう。

それでも、化粧品のOEMメーカーなどは使用部材の明示事態がノウハウの開示となるので、提供を絞る可能性があります。

(証明方法:付加価値基準の場合)

一方、別なルールに付加価値基準というルールがあります。計算方法は協定により若干違っています。根本は、売価(FOBの場合が多いですが)から非原産材料の価額を引いた額が売価に対してある一定割合を超えていればいいというのがおおよその説明となります。

つまり、売価に対してどれくらいの付加価値を出しているかを証明するわけですから、この情報を生産者が輸出者に開示するということは、利潤情報を開示することになりますので、「とんでもない」となるわけです。

(輸出者が原産地証明を行う問題点)

仮に輸出者が生産者から情報をもらって証明をしたとしても、情報に限りがあります。また、証明を輸出者が行っているので、生産者には当事者意識がありません。継続的に対象商品を輸出している場合で、その商品の生産を生産者が日本生産から輸入に切り替えると、原産性を失いますが、生産者はEPAにまで意識がいかないので、「日本産」として輸出者は輸出を継続することがあります。事実が判明したら、当然、非原産なので処罰対象です。

(どうしたらいいのか)

やはり、基本は生産者に原産地証明をしてもらうこと、輸出者はその生産者から「同意通知(原産地証明番号の利用許可)」をもらって、輸出するのが一番スムーズであり、かつ、証明の正確性が担保できるはずです。

生産者の原産証明の能力の問題を言う方々もおられますが、面倒くさいだけであって、むずかしいのではありません。当社に輸出者の方が生産者の方と一緒に相談に来られることがありますが、「やってみよう」という気持ちが一番大切です。

EPA活用のヒント: 商工会議所の方とお話しして

本日、商工会議所の方とお話をしました。

話題は、EPA活用における企業の方の取り組み姿勢。

まじめに取り組まれている人も多いのは事実だということをまずは申し上げておきます。

EPAの原産地証明書をとるがために証明を適当に行う方も悲しいかな少なくはありません。

確かに、海外の顧客から「EPAを活用して」と要望を受けたら、それを実施することに意識があります。原産地証明がどのような意味をもつかということを忘れている、通ればいいと思っているのです。

今回のEPAデスクもそうですし、原産地証明の判定をする商工会議所もそうですが、相手国からその証明の疑義が起れば、その証明責任は、我々にはありません。

活用する企業のコンプライアンス。

この意識をまず持てば、アプローチは違うはずです。

“Global SCM News”から:TPP交渉「8月決着」困難なワケ 政治決着以外は厳しい状況

夕刊フジのネットニュースで「TPP交渉「8月決着」困難なワケ 政治決着以外は厳しい状況」という記事が出ています。

大前研一先生の時評ですので、切り口は実にシャープ。

なぜTPPがまとまらないかの一つの理由に、米通商代表部(USTR)のマイケル・フロマン代表の手腕について述べていらっしゃるのが面白い。

要するに「よくまとめきれない」人らしい。

時間的制約もかなりのところまで来てしまいました。

早期に決着をつけてもらいたいものです。

コンテナ運賃の大きな変化

グローバルSCMのコスト要素の一部である、コンテナ運賃。

これが乱高下中。

ただ、新造船の供給がピークを迎えているため、供給過多による値下げが想定されます。

また、新興国の輸出が先行き不透明。

需要が減り、供給が増えれば、値下げは明らか。

企業の皆さん、同対策されますか?

 

コンテナ船運賃乱高下 供給過剰、値上げ続かず  採算割れ水準、なお下落も

新興国発の貿易偏重

 

 

本当に大丈夫ですか、自己証明のやり方

オーストラリアとのEPAが発効して半年以上経ちました。

オーストラリアは自己証明という方法がとれるため、それに対する企業の関心も高いものがあります。

ですが、あまりに簡単に考えている企業がいかに多いか。

「書面にはんこを押せばいいんでしょ」

といった問い合わせがいかに多いか。

商工会議所が間に入る第三者証明と比べると、申請だとか、審査だとか、証明書が届く時間だとか確かに簡易、迅速にはなります。

しかし、原産性を証明することに関しては何も変わることはありません。

ちゃんと証明を行わないと後で大きなしっぺ返しが来ますよ。

TPPの死角: 日本企業は準備ができていない

TPPが話題になってからずいぶん経ちます。推進するかどうかを話している時から比べると、大筋合意一歩手前まで来たことは、ようやくここまで進んだかという思いがあります。

TPPで恩恵を受けるのは産業界です。そして、食の「安全保障」の意味での国民でしょう。
・ 食に関しては、話がややこしいのでここではこれだけにしておきます。

特に産業界にとってはTPPは日米FTAであり、一部産業での既存EPAの高度化です。

日米FTAでは、自動車部品の関税、そして自動車関税が大きな論点ですし、また、ベトナムとは自動車の関税の削減も小さくはありません。

では、TPPが発効されると産業界はすぐに潤うのでしょうか。関税が削減されるその仕組みにおいて日本企業は準備がまだできていないのです。

(導入される可能性の高い「自己証明」)

TPPではアメリカの意向もあり、商品の原産性(関税を減免するための満たさなければいけない条件といっていいです)を証明するのに「自己証明」という方法が導入される可能性が高いと言われています。これは、TPPで決められた規則に則り、企業が自分で原産性を判定して、条件を満たしていれば、自ら原産性を満たしているという「原産地証明書」を発行し、輸出の際のインボイスに添付すれば、輸出先国でTPPで決められた関税の減免が受けられるのです。

「自分で原産地証明書が出せるならいい。」とは簡単に行きません。当然、輸入国側にも原産性が正しいかどうかをチェックする権限があります。詳細は明確になっていませんが、今までのアメリカのFTAのやり方が適用されるなら、輸入国は、その商品を輸入した会社に「その商品の原産性を証明しろ。」と問います。「原産地証明書」を出した輸出した会社ではありません。輸入者です。理由は簡単です。国境を越えて輸出者と争うよりは、国内法が適用される輸入者を問いただす方が簡単かつ効率的だからです。

当然輸入者には原産地証明書の根拠資料はありませんから、輸出者に問い合わせます。輸出者がちゃんとした根拠資料が出せない場合はどうなるか?当然輸入者はTPPでの関税減免を抹消され、関税を払うことになります。そして、輸入者は輸出者に「この責任をどうしてくれるんだ」と迫るわけです。

(日本企業のFTA対応力:そのお寒い現状)

日本のEPA(FTA)は、一部を除き「原産地証明書」は第三者証明と呼ばれる日本商工会議所による「原産地証明書」発行の仕組みで運用されています。

この仕組みでは、

①企業登録→②サイナー登録→③原産品判定番号申請→④特定原産地証明書発給申請

というプロセスを踏みます。このプロセスでは商工会議所に証明証拠書類を提出するプロセスはありません(以前はありましたが、申請が多くなってきて事務的に対応ができなくなったようです)。しかし、状況を鑑みて商工会議所が証拠書類の提出を求めることがあります。そこで証明の妥当性を確認しているわけです。また、サイナーを登録させ、申請者も明確にすることで、100%のチェックとはいきませんが、実施されています。

ただ、EPA(FTA)活用のコンサルティングをしている中で感じるのは、それでも、証明のやり方が不十分であったり、ずさんであったりすることが多い。「よくこんなので通ったな。」というものもあります(商工会議所はすべてをチェックできないので、チェックなしで通ったのでしょう)。先方の国から文句がついて、その証明初を吟味したら明らかにアウトというものも本当に少なくありません。

アウトになった場合、どうなると思いますか?その「原産地証明書」でセーブできた関税をさかのぼって払うことになりますよね。それも輸入者が払うことになります。当然輸入者は怒りますから、その後の取引にも影響があるでしょう。また、その証明が悪質である場合、貿易にも影響が出るかも知れません。

申請をするサイナー管理もずさんです。退社した人の名前をそのまま使ったりしている場合も少なくないですし、名義貸しをして、フォワーダーにさせているケースもあります。共にやってはいけいないことです。(フォワーダーなど第三者がやることは今年の3月から認められましたが、名義貸しでやっていいと言うことではありません。)

こんな状況で、「自己証明」を認めてしまったらどうなるか。商工会議所のチェックがあってもこの状態なのに、監督する組織がなくなるとどうなるか。ぞっとします。

(なぜそのようなことになっているのか)

このような事態になっている大きな理由は、企業が末端の担当者にEPA(FTA)活用を丸投げしているからです。経団連の重鎮企業でも状況は同じ。企業組織としてのやり方ができていない企業がほとんどです。経営者は「TPPは大事だ。進めないといけない」と言っていますが、自社の対応組織が十分でないことをご存じないのでしょう。

EPA活用の担当者と話をすることがきわめて多いのですが、彼らの悩みは共通です。

  • 「私の証明方法は正しいのか。」
  • 「証明が間違っていたら、会社はどうなる?私はどうなる?」
  • 「こんな大事なことをどうして会社は真剣に取り上げないのだ。」

EPA(FTA)は、単なる関税削減だけではありません。企業のサプライチェーンを変える大きなトリガーです。それを、単なる関税削減で担当者任せではお寒い。マネジメント層より上層部がサプライチェーンのトリガーとして捉え、組織として対応することを行うべきです。

(EPA(FTA)活用の監査の薦め)

まずは、何をすべきか。

現在のEPA(FTA)活用の現状を監査することをまず行って下さい。今までのやり方を精査し、対応方法を再検討することをお勧めします。

当フォーラムでもEPA活用監査をコンサルティングメニューの一環で行っています。

とある東証一部上場企業(売上もかなり大きな企業です)に対して監査を実施しました。現場の人たちは「EPAは活用している。監査なんか要らない。」ということでした。しかし、監査してみると

  • サイナーの使い回し。退社している人のアカウントが多く存在
  • 上司をサイナーとしているが、EPA申請に関してはその人は何も知らない
  • 証明方法の間違い
  • 商品がモデルチェンジしているのに、昔の「原産地証明」で運用している
  • など

呆れる状況でした。

これは、発覚した場合、大きなリスクがあります。金銭的にも問題ですが、コンプライアンス、ガバナンス上の問題にもなります。

この監査からどのような対応方法をとるべきかを是非考えてみて下さい。

TPP、大筋合意とならず。

TPPを巡り、ハワイで行われていた閣僚会合においてTPPの大筋合意とはなりませんでした。

様々な事柄の合意をへましたが、医薬品に関する知的財産ルールや乳製品での利害調整ができなかったのが主要因とのこと。

今月中に再度閣僚会合を開き、今月中には大筋合意に至りたいとのことですが、その背景にはアメリカの大統領選挙があり、年内署名のためにはもう待ったなしの状況です。

本日、Global Edge Forum 第7回セミナーを行いました。

本日、Global Edge Forum 第7回セミナーを行いました。

テーマは、「市場攻略シリーズ: ベトナム、インド」

第1部講演 「ベトナム:市場の変化と日本企業の課題」
ABC 合同会社 代表社員、AGS HCMC Branch 社長  石川 幸 氏

第2部講演 「インド市場を攻める:市場の可能性と日本企業の課題」
アイ・アイ・ネットワーク株式会社代表取締役  貝崎 浩史 氏

会場の都合もあり、残念ながら2.5時間の短いセミナーとなってしまいました。

講演の評価も高いものでした。

ビデオなどは編集が終わり次第アップします。

第3回Global Edge Forumセミナーの動画をYouTubeにアップしました。 その2: 建設プロジェクト成功の為に

第3回Global Edge Forumセミナーの動画をYouTubeにアップしました。
第1部もアップできました。

Global Edge Forum 第3回セミナー

テーマ: グローバル戦略:変化への先読みと対応

第1部: 建設プロジェクト成功のために

講演者: 株式会社プランテックインターナショナル 代表取締役 田島 宏一

2015年2月4日 @東京国際フォーラム

日本企業の海外製造拠点のあり方には多くの問題があり、グローバル競争においては必ずしも戦えるアプローチとなっておりません。日本企業はファシリティを海外でどのように展開すべきかを語ります。